キングペンギンの人工授精 2年連続で成功
和歌山県の白浜町のアドベンチャーワールド(AWS)は、近畿大学生物理工学部(紀の川市)と同大先端技術総合研究所(海南市)との共同研究で、2年連続でキングペンギンの人工授精に成功したと発表した。
ことし2月6日に生まれた雄の赤ちゃんはDNA鑑定の結果、精子を提供した雄の遺伝子を持つことが分かり、国内3例目の成功となった。
赤ちゃんは現在、体重が9㌔を超え、茶色の羽に覆われているという。同施設のペンギン王国で母親と育ての父親と過ごしている。
今回の人工授精は、精子の活性を維持させる希釈液の使用と精液注入について、同大と同研究所のアドバイスのもと実施。キングペンギンの雄から採取した精子を凍結せず、雌に計5回(昨年11年29日~12月7日の期間)注入した。誕生した赤ちゃんペンギンの母親と精子提供した雄は共に同園生まれで、母親は昨年12月15日に産卵した。
AWSによると、自然繁殖では相性の良いペンギン同士のみ繁殖するため遺伝子が偏るという。種の保存には人工授精の技術も必要であるとし、2017年に精子などの遺伝資源のさまざまな保存技術開発に取り組んでいる同大と産学連携協定を結んだ。
今後はキングペンギン専用の保存液を使い、精子の凍結保存の技術を用いた人工授精の成功を目指すという。