アーチェリーU-17 矢渡さんが日本代表に

全日本アーチェリー連盟U-17ナショナルチームのメンバーで、和歌山県立和歌山高校(和歌山市新庄)の2年生、矢渡(やわたり)茜さん(16)がこのほど、静岡県で開かれた「第17回世界アーチェリーユース選手権大会最終選考会」で3位に入り、日本代表枠を獲得した。

昨年11月のU-17ナショナルチーム選考会の上位4人に出場権が与えられ、1位通過した矢渡さんをはじめ出場選手4人が、三つの日本代表枠を懸け、熱い戦いを繰り広げた。

アーチェリー競技は、4分の制限時間内に6本の矢を放ち、それを6回繰り返すのが1ゲーム。一日2ゲームを2日間で行い、計288本の総得点で競う。

強い風の中、迎えた初日、矢渡さんは2位とわずか3点差、3位で終了。「1位通過で参戦したことがプレッシャーとなり、代表枠は厳しいと思った」と当時の心境を振り返り、「とりあえず自分のできることをしよう」と気持ちを切り替え、2日目に臨んだという。

当日、雨に見舞われる中、後を追う2位の選手との差は開く一方、4位の選手のすさまじい追い上げに終始焦りを感じていたというが、同校アーチェリー部の森毅顧問(44)が「気持ちの切り替えがうまく、本番に強い」と評する持ち前の精神力で粘り強いシューティングを続けた結果、4位と17点差で3位に入り、日本代表の座を手に入れた。

矢渡さんは「代表メンバーに入れてうれしかったけれど、点数が低かったので悔しい。世界ユースはベストな状態で臨みたい」と話し、「個人でメダル獲得、団体でも自分が引っ張れるような活躍をしたい」と意気込む。

矢渡さんがアーチェリーに出合ったのは、小学生の頃。5年生の時に県教委のゴールデンキッズに選ばれ、アーチェリーの体験会に参加したことがきっかけで、中学1年の時から同校の部活動に参加し、片道50分ほどかけて母親に送迎してもらい、ほぼ毎日、週末も練習を重ねてきた。

「打った分だけ上手になれて、点数として努力の結果が目に見えるのがうれしい」と笑顔。練習の成果で2018年、初めて出場した大きな大会「全日本小中学生アーチェリー選手権大会」で9位に輝いた。

当時から指導を続ける森顧問は、「オリンピック金メダルが、夢ではなく目標に変わってきた。どれだけ伸びるか楽しみ」と期待し、矢渡さんも「ことしはU-17で結果を出して、来年度はU-20に入れるよう成長したい」と笑顔で話している。

当初10月にオーストラリアでの開催を予定していた世界ユース選手権は、新型コロナウイルスの影響で会場がポーランドに変更となり、8月に行われる予定。

 

目標に向かって弓を引く矢渡さん