感染者増加で危機感 クラスター新たに3件
和歌山県内で4月28、29日、乳児から90代の62人が新型コロナウイルスに感染し、80~90代の男性2人が死亡したことが確認され、県は3件のクラスター(感染者集団)を新たに認定した。62人のうちすでに感染が発表されている人の濃厚接触者が30人に対し、新規が32人。県福祉保健部の野㞍孝子技監は「新規の感染者が増えており、さらなる感染拡大を危惧している」と述べた。
亡くなったのは田辺保健所管内の90代男性と和歌山市の80代男性で、いずれも基礎疾患があった。県内の死者は27人となった。
感染した62人の保健所管内別内訳は、和歌山市が39人、橋本と田辺が各6人、岩出が4人、海南が3人、県外が4人。
新たに判明したクラスターでは、田辺市立城山台学校給食センターの職員の感染が5人に達し、47例目に認定。同センターは5月7日まで休止し、5人以外の職員は全員の陰性が確認されている。
和歌山市東仲間町の「タイ料理タサニー」では、関係の感染者が5人となり、48例目に認定。県は、4月16~20日に同店を訪れた人に、速やかに保健所に連絡するよう求めている。
49例目は、和歌山市内の個人宅での食事会。参加した9人のうち7人の陽性が判明した。
入院中の患者は327人、うち重症者は55人。発表済みの陽性者のうち新たに37人が変異株によるものと分かり、変異株の感染者は累計422人となった。
4月29日時点の直近1週間の人口10万人当たりの新規感染者数は、県全体で21・1人、和歌山市は33・4人。市内は依然として、爆発的な感染拡大を示す「ステージ4」の目安25人を上回っている。
野㞍技監は、濃厚接触者以外の新規感染者の増加を抑える必要があるとし、「自分や周りの方の命や健康を守るために適切な行動をとっていただきたい」と呼び掛けた。