宿泊療養は当面見送り 病床使用率の改善で県
和歌山県は4月30日、5月から予定していた新型コロナウイルス感染患者の軽症者の宿泊療養について、病床の逼迫(ひっぱく)状況に改善が見られることを受け、開始を見送ることを明らかにした。
新型コロナの感染症者急増や病床の逼迫を受けて、県は無症状や軽症者を対象に5月から岩出市の「ホテルいとう」137室を使い、療養を開始すると発表していた。
県は第4波以降の感染者の急増を受け、病床数を440床に増やして対応。病床使用率は4月25日に96・3%だったが、30日時点で71・6%に改善している。
4月30日に県庁で開いた会見で、県福祉保健部の野㞍孝子技監は「開始は今のところ未定。感染者の増え方や見込みを見て判断したい」と話した。
新たに20人が感染 飲食店でクラスター
県は同日、県内で新たに10~70代の男女20人が新型コロナウイルスに感染していることが確認されたと発表した。県内の累計感染者は2158人となった。31人が退院し、30日午前10時時点で315人が入院している。また、新型コロナに感染し入院していた岩出保健所管内在住の90代男性が死亡したことも発表した。
死亡した男性は入所者や職員の感染が判明し、クラスター(感染者集団)に認定されたサービス付き高齢者向け住宅「バナナホーム金池」の入所者。4月13日に陽性が判明し、14日から入院していた。肺炎像が確認され酸素投与を受けていたが、30日に死亡が確認された。基礎疾患があったという。県内の累計死者は28人となった。
30日に発表された感染者の保健所管内別の人数は、和歌山市14人、岩出2人、橋本3人、田辺1人。直近1週間の人口10万人当たりの新規感染者数は、県全体が19・4人、和歌山市32・0人となっている。