ワクチン接種の副反応 日赤が調査結果公開

日赤和歌山医療センター(和歌山市小松原通、平岡眞寛院長)は、新型コロナウイルスワクチンを接種した職員にアンケートを実施し、副反応などをまとめたレポートをホームページで公開している。特に2回目の接種後、およそ4人に1人が37・5度以上の発熱があったことが分かった。新型コロナウイルス感染症の院内マネジメントを担当する中大輔院長補佐は「一般の方に正しい情報を知ってもらい、コロナワクチンに対する不安を少しでも取り除ければ」と話している。

同センターには3月6日に第1弾のワクチンが届き、同月中に18歳から69歳までの職員約1100人が2回接種した。

1回目の接種後、37・5~37・9度の発熱が15人、38度以上は5人で、全体の1・8%に発熱の症状が見られた。厚生労働省の新型コロナワクチン副反応疑い制度による報告基準別にみると、頭痛7・83%、倦怠感11・38%、接種部位の痛み54・92%、接種部位に腫れや赤み、しこりができた人が7・56%いたという。

3週間後の2回目は、37・5~37・9度の発熱が149人、38度以上は145人で、全体の26・7%。4人に1人以上が発熱したことになり、特に2回目の接種前は、発熱を予測した準備を呼び掛けている。解熱剤を服用した職員も、1回目9人に対し、2回目89人と約10倍に増加した。

同センターでは、安全性の高いアセトアミノフェン系の解熱鎮痛薬を推奨し、パッケージの成分表示の確認を勧めており、中院長補佐は「家にある置き薬を飲めば、1~2日で元の体調に戻るので、接種後は発熱に備えてしっかりと水分を取り、体を休めてほしい」と話す。

発熱以外には、頭痛33・36%、倦怠感49・64%、接種部位の痛み61%、接種部位に腫れや赤み、しこりができた人13・09%と、いずれも2回目の接種後の方が増加。アナフィラキシーと呼ばれる強いアレルギー反応が出た職員はいなかったが、ぜんそくや花粉症、皮膚炎などアレルギー体質の職員には、軽微なアレルギー症状が見られた。

その他、筋肉痛や関節痛、悪寒、下痢、吐き気など報告基準以外のさまざまな症状が見られ、副反応で一日休暇を取得した人は、1回目が3人、二日が1人。2回目は半日が21人、一日が59人、一日半が5人、二日が13人に増加したが、症状の出る期間は接種後一、二日に集中した。

50~60代でほとんど症状が出ない人がいる一方、20代で複数の症状が出た人もおり、年齢や性別よりも体質や体調などによると考えられるという。中院長補佐は「副反応が出やすい2日目は休めるような日程を組む他、職場や家庭内で接種日をずらすと良いのでは」と提案。

「午後にワクチンを接種し、就寝前ぐらいから打ったところに痛みを感じていた。翌朝は手が上がらなかったけれど、一日たつと驚くほど治っていて、接種後は気が楽になった」と自身の接種後を振り返り、「副反応には個人差があり、命に関わるような大きなアレルギー反応が出る確率は極めて低いので、コロナウイルスにかかりにくくするワクチン接種に対して、必要以上に恐れることなく接種してもらいたい」と呼び掛けている。

同センターでは、現在90%以上の職員がワクチンを接種しており、より安心して受診・治療に臨める環境が整っているという。

新型コロナワクチンを接種する平岡院長(日赤和歌山医療センター提供)

新型コロナワクチンを接種する平岡院長(日赤和歌山医療センター提供)