県産の無農薬小麦を収穫 給食パンで提供へ

農家や有志などが協力して学校給食のために和歌山県産の無農薬小麦を栽培する「給食スマイルプロジェクト~県産小麦そだて隊!~」(多田寿江代表)のメンバーは26日、海南市高津の畑で収穫と脱穀を行った。県の「農業農村活性化支援モデル事業」を活用して、小麦農家の増加と農村地域の活性化を目指す。

同会は2019年6月に多田代表ら小学生の子どもを持つ保護者3人が中心となり発足。きっかけは、ある新聞で読んだ農民連食品分析センターの発表。国が輸入するカナダとアメリカ産の小麦を使用したパンから発がん性の恐れがある農薬が検出されたことを知った。

県内で使用される給食パン用の小麦は100%カナダおよびアメリカ産。安心安全な学校給食を実現するために栽培を始めた。

昨年11月には、和歌山市梅原の農家で同会のアドバイザーである貴志正幸さんの畑で収穫した小麦100%のパンを貴志南小学校に提供。2月には日高川町の4小中学校100人の給食にも提供され、子どもたちから「モチモチしておいしい」などの反応があったという。

海南市高津の畑では昨夏から草刈りや種まきなどして作業を行い実りを待った。25、26日の収穫では会員ら30人が手作業で小麦の刈り取りを行い、26日には脱穀機にかけた。手掛けた小麦は県学校給食会が買い取り、11月ごろに一部の小学校などに提供される予定。

多田代表は「私たちだけで小麦を作るのは大変なので一緒に作る人が増えてもらえればうれしい」と話している。

収穫を楽しむ参加者

収穫を楽しむ参加者