コロナ禍でも助け合い 高校生が献血に協力
新型コロナウイルス感染症の影響で集団献血が厳しい状況にある中、和歌山県内の高校生が献血に協力している。県赤十字血液センターでは、今後、献血の基盤を支えていく高校生の参加機会を増やし、継続的に献血をしてもらうきっかけにしようと各学校に協力を呼び掛けてきた。血液を安定して供給するため、コロナ禍でも学校協力のもと地道な活動が続いている。
同センターによると、県内の献血可能人口に対する献血率は、全国2位と高いが、年代別献血者数でみると40代から69歳が7割を占め、10~30代の若年層は低いのが現状。少子高齢化や進学や就職で県外に出る若者が多いなど、県特有の問題も影響しているのではないかという。
2年前は年間で32校1880人の協力があったが、昨年はコロナ禍で学内イベントの中止などが影響し、実施校と献血人数は以前の3分の1以下に。そこで、継続的な献血活動に賛同した教員らと事前に日程調整や必要な献血人数を相談の上、高校の近隣に献血会場を設置する回数を増やした。この取り組みは同センター独自で、昨年度は高校側の協力もあり、県内9校で305人と多くの有志が集まった。
24日には、和歌山市の和歌山北高校の生徒たちが同市平井のオークワ・オーストリート和歌山北バイパス店に配車された献血バスで協力。演劇部やサッカー部などさまざまな部活動のメンバーら26人が集まった。
昨年に続いて献血に協力したラグビー部主将の村岡航君(18)は「これからも機会があれば続けていきたい」と話し、同センターの逢坂泰弘さん(43)は「今回献血を経験したことで、社会に出た時に周りの人も影響を与え、献血に連れてきてもらえればうれしい」と話していた。