接種率目標到達に遅れ 和市コロナワクチン
和歌山市は29日、新型コロナウイルスワクチンの国からの供給量減少を受け、目標としている市民の接種率70%への到達が、当初の9月末ごろから11月中旬までずれ込む見込みとなったと明らかにした。増加傾向にある市内の新規感染者のうち、感染力が強いとされるデルタ株の陽性が28日までの1週間で29%に上り、置き換わりが進んでいる実態も分かった。
尾花正啓市長が同日の定例記者会見で発表した。
ワクチンの供給減により、市は今週から1回目の接種の予約受け付けを3割抑制しており、8月9日の週からは5割抑制すると市内医療機関に伝えている。
市内の65歳以上の接種率(27日現在)は1回目87・2%、2回目78・9%。接種希望者は当初、9割程度と見込んでいたが、7月上旬には1回目の予約が頭打ちとなり、7月中には2回目もほぼ終了の見通し。
高齢者を含む一般では、アンケートによる接種希望者の割合、集団免疫の獲得が見込まれる割合などを考慮し、接種率の目標を70%に設定。抑制前の接種ペースでは9月末ごろに達成の見通しだったが、現時点で決まっている抑制ペースが続けば、11月中旬まで遅れる。
市は国に、ワクチンの安定的な供給などについて要望書を提出し、28日には、尾花市長がオンラインで厚生労働省の樽見英樹事務次官に直接要望。尾花市長は、市町村への供給計画を従来より早く伝えるなどの回答があったと説明した。
デルタ株は、市内では7月11日を最初に、28日までに20件が検出(うちゲノム解析による確定5件)され、直近1週間の検出率は約29%となっている。
尾花市長は感染拡大に危機感を示し、市民に改めて感染防止対策の徹底を呼び掛けた。