98日ぶり感染者40人超 61例目クラスターも

和歌山県は29日、県内で乳児から60代の43人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。一日の感染者が40人を超えるのは4月22日以来、98日ぶり。海南市下津町下津の合同会社Buena Vistaと㈱エネルジスタで、従業員の感染が6人となり、県内61例目のクラスター(感染者集団)に認定された。

43人の保健所管内別内訳は、和歌山市19人、海南5人、岩出7人、橋本3人、湯浅2人、新宮5人、県外2人。1人が重症で酸素投与が必要となっている。

クラスターの2社は同一経営で同じ建物内にあり、従業員7人のうち6人が感染。咳や熱の症状がある状態で出勤した人がおり、会食の機会もあったという。

県内の感染者は累計2899人、入院中の患者は129人(うち重症者6人)、病床使用率は32・3%。変異株陽性者は986人で、ウイルスのゲノム解析により新たに4人がデルタ株(インド型)と確定し、累計8人となった。

直近1週間の人口10万人当たりの新規感染者数は県全体で14・1人となり、急増の目安15人に迫り、保健所管内別では和歌山市が18・5人、新宮が20・8人で上回っている。第4波のピーク時(4月23日)は県全体が30・3人に達しており、県福祉保健部の野㞍孝子技監は現状について、「第4波に近づいており、超える可能性もあると危機感を持っている」と話した。

県外から帰省した人と会食やバーベキューをして感染につながった例や、軽い症状がある状態で行動している例がみられることから、野㞍技監は、そうした行動を控え、症状があれば直ちにクリニックを受診するよう改めて求めた。

記者会見する野㞍技監

記者会見する野㞍技監