対面授業の再開に向けて 和大で職域接種
10月1日から始まる後期授業を前に、和歌山大学(和歌山市栄谷)で11日、希望する学生や職員らにコロナワクチンの職域接種が始まった。12日にかけて約800人の接種を予定している。
同大では、学生の6~7割が大阪府を経由して通学するため、同府に緊急事態宣言が出ている間はほぼ全ての授業がオンラインで行われてきた。後期からはできるだけ対面授業の割合を増やしていこうと、モデルナ製のワクチン1200人分を確保した。
当初は8月中に職域接種を予定していたが、モデルナワクチンの異物混入問題が明らかになったことを受けて遅延。和歌山ろうさい病院(同市木ノ本、南條輝志男院長)協力のもと、ようやく職域接種がスタートした。
同大の伊東千尋学長は「対面授業や課外活動を見据えて職域接種を積極的にやっていきたい。学生の安心感や、安心安全なキャンパスにつながる」と話した。
初日の11日、午前9時から午後3時まで6部に分かれてワクチン接種が行われ、会場の食堂には、予診と接種で各3ブース、接種後の待機スペースを確保。ワクチン接種を受けた観光学部2年生の谷口愛音(あのん)さん(19)は「異物混入などもあり正直打って大丈夫かなという不安があったので朝から緊張していた」と話し、「打ったからといって安心はできないけれど、少しは安心して友達に会えそう」と安堵(あんど)の表情を見せた。
ベトナムからの留学生で、システム工学部の3年生、ズン・ヴィーフンさん(26)は「オンラインの授業では、先生への相談もやりづらく、早く打ちたかったので安心した。痛くなかったけれど、腕は少し重く感じる」と話した。