『紀州の侍』第三集発刊へ あがらの和歌山
和歌山の魅力を発信し、ファンを増やす出版活動に取り組む「紀州文化の会」(大江寛代表)は、「あがらの和歌山」シリーズ第15弾『紀州の侍 第三集』を29日に発刊する。各界で活躍する和歌山ゆかりの男性を紹介する企画の3作目で、今回は60歳以上の男性100人が登場する。
同会は2004年7月に発足。「ええとこあるで和歌山」を合言葉に、和歌山の魅力を紹介する書籍を年1回出版することを目標とし、これまでに歴史や地名、方言など幅広いテーマの17冊を完成させている。
5年前から、和歌山に今どんな人が住み、どんなことをしているのかを紹介する企画をスタート。17、18年には2年連続で『紀州の女性』を出版し、計402人を紹介した。
19年からは男性版の『紀州の侍』を開始。第1集、第2集には60歳までの男性200人が登場。完結編の第3集は60歳以上の「和歌山をつくった人」に焦点を絞り、和歌山市62人、紀北地域13人、中紀地域6人、紀南地域10人、県外8人、国外1人を取り上げている。
智弁和歌山高校硬式野球部を全国有数の強豪校に育て上げた嶋仁名誉監督(紀の川市)、がんこフードサービス㈱の小嶋淳司代表取締役会長(上富田町出身)、紀州徳川家に仕えた400年以上の歴史がある鉄砲店、㈲出来助本店の出耒可也さん(和歌山市)をはじめ、経営者や神職、アーティストなど各界で活躍する多彩な100人が集まった。
1人につき4㌻にわたり、「破ってはいけない『自分ルール』」、「成功するための条件」など22問のアンケートに寄せた考えや思いのメッセージが、写真と共に掲載されている。
「人生で誇れること」の質問では、100人中最高齢(1934年生まれ)の東洋ライス㈱の雜賀慶二代表取締役社長は「世のためにいろいろと有益な、実用的な発明をしたこと」とし、同じく34年生まれの「流しのばんちゃん」こと演歌師の番匠芳夫さんは「この道一筋で頑張ってこれた事」と振り返っている。
大江会長は「若い人には、和歌山が輝いていた頃にこんなに頑張った人がいたことを知ってもらえれば。同世代の人には、同じ世代として頑張っている人がいるということを感じてほしい」と話している。
B5判450㌻、2480円。県内の主要書店で取り扱う。
問い合わせは大江代表(℡090・1222・6495)。