ポン酢、オレンジ酎ハイの作り方

前号では、全国3位の収穫量を誇り、正月飾りや鏡餅に乗せる縁起物として知られる「橙」の歴史を取り上げた。ほのかな甘みはあるものの、酸味と苦みが強く、そのまま食するには適していない橙であるが、ヨーロッパでは「サワーオレンジ」の名が付くほど、その果汁が積極的に活用されている。今週は、橙の果汁を使った加工品の作り方を紹介したい。
まず紹介したいのが「ポン酢」の作り方。橙2個に対し、しょうゆ大さじ3杯、お酢大さじ1杯を用意する。橙を半分に切り、搾り器を使って果汁を搾る。この時、橙の外皮に搾り器が当たるほど強く搾ると苦みが出るため、軽く果汁を取り出す程度に押し当てるのがおすすめ。
種や果肉が一緒に搾り出されてしまうので、最後に濾(こ)し器を使って果汁だけを取り出し、最後に、しょうゆとお酢と混ぜれば出来上がり。橙のサイズや果汁量によって、味が薄く感じられることがあるため、しょうゆとお酢の量は好みで調整してほしい。
これだけでもポン酢としておいしいが、ここにかつお節や昆布を加え、1日程度冷蔵庫で寝かせることで味がまろやかになり、風味も良くなるため、おすすめしたい。
他にも「サワーオレンジ」の名のとおり、サワーや酎ハイとしていただくこともできる。焼酎を炭酸で割り、半分程度の橙を手で搾りよく混ぜる。好みで果汁の量を増やし、濁りが出てくれば飲み頃である。市販のオレンジ系の酎ハイは、どこか甘すぎて苦手だという方にとっても、さっぱりとした味わいを楽しめるのでおすすめ。
まもなく橙のシーズンは終わりを迎えるが、鍋がおいしいこの季節、橙を使った加工品作りを試してみてほしい。
(次田尚弘/和歌山市)