香りを楽しむ柑橘「ライム」
前号では「橙」を使ったポン酢、オレンジ酎ハイの作り方を取り上げた。今週も果汁が魅力的な柑橘(かんきつ)を紹介したい。
ジュースや酎ハイなどで親しまれる「ライム」。海外からの輸入品が一般的であるが、ごくわずか、国内でも栽培されている。
2018年の農水省統計によると全国の生産量は3・5㌧。最も生産が盛んであるのが愛媛県で3・4㌧(シェア97%)。第2位が和歌山県で0・1㌧(シェア3%)となっており、県内の主要産地は、かつらぎ町。
ライムはミカン科の柑橘で、ヒマラヤ地方が原産とされ、見た目はレモンにそっくり。香酸柑橘と呼ばれる香りの良い柑橘で、レモンやユズの仲間である。主に流通しているのはアメリカやメキシコで栽培されたものであり年間を通して入手できるが、国内産は9月から翌年2月にかけて流通する。
筆者が購入した県内産のライムは、レモンと変わらない程度の大きさ。おそらく、タヒチからアメリカに渡ったとされるタヒチライムという品種であると思われる。輪切りにしてみると種がほとんどなく、レモンに似た香りがする。
食べ方としては、ライムの果汁に炭酸水を注いで作るライムジュースや、果汁にゼラチンを混ぜて作るライムゼリー。輪切りにしたライムにミントを加えて作るデトックスウォーターやカクテルとして、ライムに含まれるビタミンCなどの成分の摂取と香りを楽しむなどさまざま。
国内産、とりわけ県内産のライムは希少価値が高いが、温暖な気候ならではの品種。産直市場などで見つけた際はぜひ購入し、その香り、味わいにふれてみてほしい。
(次田尚弘/和歌山市)