館内の英語案内にミス 和歌山城ホール

昨年10月に和歌山市七番丁に開館した市民会館「和歌山城ホール」内にある英語の案内表示に、つづりの誤りがあることが分かった。同館を訪れた県内に住む外国人男性が発見。「せっかく市の新たなランドマークができたのに、単純なミスは残念」とため息を漏らす。

同館は旧市民会館の老朽化に伴い、市役所の隣に文化・芸術の拠点としてオープン。整備中の昨年5月には、建設工事の関係者で新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)が発生し、工事を一時中断。「紀の国わかやま文化祭2021」の開幕に間に合わせようと工事が進められ、文化祭をこけら落としに開館した。

今回、誤りが見つかったのは、最上階にある「屋上広場」の英語表記。野外ステージや芝生エリアなど、市民の憩いの場となっている広場へつながる通路に表示された「屋上広場」という日本語の下に、「Looftop Square(ルーフトップスクエア)」と英語表記がされているが、正しくは「〝R〟ooftop Square」。頭の一文字が「R」ではなく「L」となってしまっている。そもそも、表記された「Loof」という単語自体なく、これでは意味が通じないという。

これに気付いた外国人男性は「新しくできた公共施設で、簡単に防げる英語のスペルミスが表記されていることは恥ずかしいこと」と指摘。「誰が実際に英語表記をチェックしているのか。税金の無駄遣いをしないためにも、しっかりと確認するシステムづくりをしてもらいたい」と話した。

本紙が確認したところ、同様の英語の誤表記は、館内1階から5階まで全てのエレベーターホールで見られ、通路の表示と合わせて最低でも6カ所に上る。

新型コロナ収束後に向け、外国人旅行者の増加が期待される中、公共性の高い施設における市のチェック体制は万全だったのか。市文化振興課によると、外国語に詳しい専門の職員などが確認することはなかったという。同課は間違いだと認めた上で「できるだけ早く方法を検討し、訂正したい」と話した。

業者から提示された案を同課の担当者が修正しながら決定していく中で、他の施設の英語表記なども参考にしていたというが、原因は英語のつづりの単なる確認ミスだったという。

同課は今後、館内の誤った英語表記について、業者に新たな案内表示の作製を依頼するのかどうかも含めて検討するという。

 

誤ったつづりで表記された「屋上広場」の英語表示