分娩再開へ医師確保で協力 近大を新宮市が包括連携協定
参議院自民党の「不安に寄り添う政治のあり方勉強会」では、国民の皆さまが抱える様々な不安に寄り添い、議論を重ね、その対応策の具現化を模索しています。
これまでに「地域の医師不足」「独居高齢者、孤独死」「地域の消滅・崩壊」「若者世代の不安」「コロナ禍における不安」などについて密度の濃いヒアリングと丁寧な意見交換を通し、提言を3度とりまとめ、政策に反映させてきました。座長として、参議院自民党に「6年の任期がある参議院議員だからこそ地に足をつけて課題に取り組み」「住民に寄り添い」「現場に向き合う」という精神を浸透させています。
和歌山県においても、各地からさまざまな不安の声が届きます。
なかでも現在、和歌山では医師不足により分娩・出産を休止する病院が相次ぎ、大きな問題となっています。産婦人科の医師の退職や転勤により、安全で安心な医療の提供が担保できず、病院側も苦渋の決断をされたと伺いました。次世代を担う子どもたちが健やかに生まれ育つ環境の整備に向け、最優先に問題解決に取り組まなければなりません。
昨年末、新宮市、東牟婁郡、田辺市本宮、三重県南部を中心に約12万人の医療を受け持つ「新宮市立医療センター」は、今年3月以降の分娩・出産の受け入れを休止すると発表しました。私が理事長を務める近畿大学には、新宮市長や市議会からご相談を受け、また地域の方々から分娩の再開・継続を望む悲痛な要望を受けました。
私の祖父であり、近畿大学の創設者である世耕弘一が生まれ育った新宮市は、私の故郷です。これまでも地域活動や人材育成などで連携してきましたが、今回の要望にお応えするべく大学内でも検討を重ね、単に医師派遣ではなく、将来の若い医師の確保、地域産業の活性化を視野に入れて、協力させていただくことを決断いたしました。
2月16日、新宮市と学校法人近畿大学は包括連携協定を結びました。
コロナ禍のため、私は東京からオンラインで参加し、新宮市・田岡市長と締結式を行いました。第一弾として、近畿大学病院の産婦人科医師を早急に派遣し、医療センターの常勤医として着任する準備に取り掛かっています。今後も連携をさらに深化させ、医療・健康・福祉・スポーツ・育児、防災・減災、人材育成やまちづくりなどさまざまな分野で人的・知的資源の交流と活用を推進し、地域創生に取り組みます。