青洲の偉業語り継ごう 紀の川市で学習会
和歌山県紀の川市出身の医聖・華岡青洲(1760~1835)の学習会がこのほど、同市名手市場の那賀総合センターで開かれ、約60人が10日に実施される検定会に向けて学びを深めた。
青洲は20年の年月と情熱をかけて麻酔薬「通仙散」を開発。1804年に世界で初めて全身麻酔による乳がん摘出手術をするなど市が誇る偉人として知られる。
医師だけでなく地域のために尽力。農民が農作物を作るための水に苦労する様子を目にし、私費を投じてため池を造ったという。また多くの門人を育て近代日本外科の基礎を築き、医学の発展と人類の福祉に一生をささげた。
青洲の偉業を後世に伝える語り部を養成しようと、学習会と検定を計画。道の駅「青洲の里」(同市西野山)の神徳政幸駅長と、同駅の評議員で那賀地区公民館上名手分館長の谷脇誠さんが中心となり準備を進めてきた。
学習会は1月、検定会は2月に行う予定だったが新型コロナの影響で延期に。この日の学習会には市内だけでなく、県外も含めて60人が参加。20代~88歳と幅広く集まった。
開会のあいさつで神徳駅長は「華岡青洲を多くの人に知ってもらい、学んでもらい、そして後世に伝わるように継承してもらえたら」と呼び掛けた。
講師の谷脇さんは検定のために作成したテキストを使用して医療の歴史と華岡青洲の志と伝記、治療と理念を解説。青洲が医業だけでなく、世のため人のために社会貢献に尽力したことや人格者であったことを紹介した。検定会後、認定授与式は16日に行い、語り部の養成も行う。