梅雨も心晴れやか 和歌浦天満宮に飾り
暦の上で梅雨入りとなる「入梅(にゅうばい)」に合わせ、和歌山市和歌浦西の和歌浦天満宮は11、12の両日、手水舎にカエルの置物やアジサイなど季節を告げる飾り付けを行う。
新型コロナウイルス感染症防止対策として使用できなくなった手水舎を利用した飾り付けは今回で5回目。参拝者に季節を感じてもらおうと、小板政規禰宜(49)が昨年から始めた。アジサイやツバキの花を浮かべた花手水や、兜(かぶと)など季節に合わせた飾りは毎回好評で、参拝者の写真スポットにもなっている。毎回アイデアを考える小板禰宜は「季節ごとというのは県内の神社では珍しいのでは」と話す。
今回のテーマは梅雨。信楽焼のカエルが中央に鎮座し、天満宮ゆかりの鳥「鷽鳥(うそどり)」の置物が鮮やかな和傘を差すなど、季節感と日本らしさを出した。境内で育てたピンクのガクアジサイや青々としたサトイモの葉が彩りを添え、心を晴れやかにしてくれそう。サトイモは小板禰宜が映画「となりのトトロ」で登場する雨のワンシーンから「これだ」と着想したという。
手前には、小板禰宜お手製「木製の鷽鳥」118体がずらり。四方八方に向いた目で、今世間を騒がせている“物価高”を「もう118(いいわ)」と見張っている。
手水舎は、重要文化財に指定されている楼門をくぐってすぐにある。海抜90㍍に位置する境内は、海から運ばれる潮風が夏でも心地よく、小板禰宜は「四季があるのが日本。お宮で季節を感じてもらえればうれしい」と呼び掛けている。
午前8時から午後5時(最終日は4時半)まで。
次回は7月16、17、18日の3日間で、夏祭りをテーマにした飾り付けを予定している。