市堀川を活用 かわまちづくり協が発足
和歌山市の中心市街地を流れる市堀川周辺で、水辺を生かして地域のにぎわいを創出する取り組み「かわまちづくり」を進めるため、市は民間団体や自治会、県などが参加する「市堀川かわまちづくり協議会」を設立した。来年度に国土交通省の支援制度への登録を目指し、利活用の計画策定に向けて協議していく。
「かわまちづくり」の支援制度は、市町村などが国交省に申請した「かわまちづくり計画」を登録し、河川とまちが融合した良好な空間形成に向け、必要なハード・ソフト両面の支援を行うもの。2021年度末時点で全国244地区の計画を登録している。
今回は和歌山市が推進主体となり、河川管理者の県と共同で計画を作成するのに当たり、水辺の活用を進めている民間団体などと共に計画の方向性や内容を検討する。
市堀川は近世初期に和歌山城の外堀として開削され、紀の川や和歌川につながる水運の輸送路だった。京橋付近にあった納屋河岸では物資の荷揚げが行われ、人々が集まるにぎわいの拠点だった。
その後、水質の悪化や護岸整備などにより次第に利用は少なくなっていたが、昭和30年代後半からの取り組みで水質は徐々に改善され、2014年ごろからは市民団体によるカヌー体験や水辺でのイベントなどが行われるようになった。市も社会実験やワークショップを実施し、ことし3月27日には京橋親水公園をオープンするなど、周辺の魅力向上に向けた取り組みが活発になっている。
協議会の初会合は3日、市役所で開かれ、民間から、内川をきれいにする会、㈱紀州まちづくり舎、市駅グリーングリーンプロジェクトの3団体と、本町、城北、雄湊、大新、広瀬の各地区連合自治会の代表が出席した。
尾花正啓市長は「和歌山市が元々持っていた水運や川との関わりを取り戻したい。市堀川を使ったまちづくりを一緒に考えていきたい」とあいさつ。出席者からは、市堀川は汚いと思っている市民のイメージを変える取り組み、船を活用する目的をつくることなどが重要とする意見があった。
協議会は今後、地域の意見ヒアリングや取り組みの技術的検討などを進めながら、本年度内に3回の開催を予定。来年4月以降に計画の申請、登録を目指す。