プロに学ぶ塗装 和工でものづくり実習
和歌山市西浜の県立和歌山工業高校で14日、ものづくりマイスターによる木工塗装の実技授業が行われた。塗装の魅力を若い世代に伝えようと、一般社団法人日本塗装工業会県支部(栗原佳宏支部長)が、毎年春と秋に同校で実施している。
ものづくりマイスターは、技能検定1級以上で15年以上の実務経験を有する、厚生労働省が認定、登録した技能者。ものづくりの魅力を若い世代に発信し、若手技能者の育成につなげようと、学校や企業などで指導や技術体験を行っている。
これまで3年生対象だったが、ことしからは進路の参考になればと2年生に実施。この日の授業では、産業デザイン科2年の8人が塗装のものづくりマイスター4人の指導を受けながら、技能検定2級程度の課題に取り組んだ。
青・黄・黒・白の水性塗料を少しずつ混ぜ合わせ、課題に合わせ調色する作業では、生徒たちは「少し青が濃いかな」や「思った色にならない」と苦戦。ものづくりマイスターたちに何色を混ぜれば良いか、どのぐらい足せばいいのかなど質問をしていた。
同支部によると、技能検定の中でも審査する項目が多い調色は、特に技術が求められるという。生徒たちは、塗っては、ドライヤーで乾かし、色を確認する作業を繰り返しながら、根気よく取り組んでいた。
小松由愛さん(16)は「説明が分かりやすく、プロってすごいなと実感した」と笑顔。同支部の栗原支部長(61)は、「塗装の職人の高齢化が進んできているのが現状。若い人に少しでも興味を持ってもらって、この仕事に就いてもらえたらうれしい」と話していた。