収束傾向も受診に遅れ 90代女性が死亡
和歌山県は14日、新型コロナウイルスに感染した和歌山市の90代女性が亡くなり、県内の死者が累計118人となったと発表した。新規感染者は64人で、前週の同じ火曜と比べて49人減少。4日ぶりに新規クラスター(感染者集団)が発生し、2件を認定した。
亡くなった女性は複数の基礎疾患があり、5月初旬から食欲不振が見られ、下旬には弱った様子だったところ、一人で立てない状態になったため医療機関を受診し、陽性が判明。肺炎で酸素投与が必要な状態で入院し、治療を受けていた。新型コロナが直接の死因となった。
新規感染者64人の保健所管内別内訳は、和歌山市41人、海南0人、岩出5人、橋本8人、湯浅3人、御坊4人、田辺1人、新宮2人。
391例目のクラスターとなったのは橋本管内の小学校で、同じクラスの児童11人が感染。392例目は和歌山市の民間団体で、所属する22人が東京での会議に出席し、このうち12人の陽性が確認された。
直近1週間の人口10万人当たりの新規感染者数は、県全体が48・2人で、前日より5・3人減少した。
県内の感染者は累計4万3197人。入院者数は54人、重症者は県基準で4人、国基準の該当者はなく、肺炎患者は13人、ホテル療養を含む待機者は384人。新型コロナ用の病床数は、感染者数の減少を受けて8床減の606床とし、病床使用率は8・9%となった。今後も感染者数の少ない地域でさらに減らすことを検討している。
県福祉保健部の野㞍孝子技監は、第6波は収束に向かっているとする一方、感染力の強いオミクロン株BA・2系統の影響により、第5波までの収束時のように一日の新規感染者がゼロになる見込みは小さいとの認識を示した。
また、感染者の中で「受診が遅い人が目につくようになってきた」とし、体調に変化があれば早期に受診するよう改めて呼び掛けた。