少年の健全育成に尽力 県内補導員3人受章

少年の健全育成や少年補導活動に尽力した人をたたえる「全国少年警察ボランティア協会少年補導栄誉金章・銀章」が決まり、和歌山県内からは、新宮署少年補導員連絡会の会長、田代知美さん(67)が金章、かつらぎ署同連絡会の会長、平山忠央さん(65)と、岩出署同連絡会の会長、三谷好生さん(61)が銀章に輝いた。

同章は毎年、警察庁長官が全国少年警察ボランティア協会会長との連名で、永年にわたり少年の健全育成及び少年補導活動に献身的に尽力した人に贈っている。ことしは全国で47人が金章、94人が銀章に選ばれ、6月9日付で表彰された。

例年であれば東京で表彰式が行われるが、新型コロナウイルスの影響で3年連続の中止が決まり、各都道府県で伝達式が行われている。

県内では6月28日、和歌山市小松原通の県警本部で表彰伝達式が行われ、県警の遠藤剛本部長から受章者に、表彰状と章が贈られた。

那智勝浦町で農業を営む田代さんは1994年、自身の子どもが中高校生の頃に補導員を始め、子育てが終わった後も約30年間にわたり活動を続けている。その理由について、「子どもが好きだから」と笑顔で話す。

当初は夜回りで子どもに声掛けができていたのが、時代の流れで声掛けができなくなり、現在は登下校時の子どもを見守る活動に変わった。「声を掛けたいのに掛けられなかった当時の葛藤が思い出深い」と振り返り、「今後も明るい声掛けで子どもたちを見守っていきたい」とほほ笑む。

かつらぎ町の農家、平山さんは補導員歴20年目を迎えての受章に「大変名誉なこと」と笑顔。「これからも子どもの健全育成と非行防止のため、地域の皆さんと一緒に頑張りたい」と話した。

紀の川市の会社役員、三谷さんは2006年から補導員を務めている。「大人も子どもも引きこもりが増えている。心を病んでいる子どもが増えているので、何とか改善していきたい」と意気込んでいた。

県警によると4月末時点で、県内12署の少年補導員は339人。主に補導、見守り、啓発といった活動に尽力しているという。

左から平山さん、田代さん、三谷さん

左から平山さん、田代さん、三谷さん