不許可で県市を提訴 楠見の太陽光発電計画
和歌山市楠見地区の大規模太陽光発電事業の計画を不許可としたのは違法として、事業者が県と市を相手取り、10億円の損害賠償を求める訴訟を起こしたことが分かった。尾花正啓市長は6月30日の定例記者会見で、「市は条例等に基づいて適切に判断し、違法性はない。応訴していく」と争う考えを示した。
同計画の事業者は㈱SUNホールディングス(東京都)内に設立された和歌山太陽光合同会社で、65・94㌶の山林に約12万7000枚の太陽光パネルを設置し、出力48メガ㍗の発電施設にするとしていた。
同社は2019年1月に市と事前協議を開始し、市は20年7月に景観への影響や安全性が十分でないなどとして不許可とした。県も21年1月に林地開発などを不許可とした。
訴状によると同社は、許可を受けるための要件を十分に備えていたにもかかわらず、県と市が違法な不許可処分をしたことにより、損害を被ったとしている。
第1回口頭弁論は7月15日、和歌山地裁で開かれる。