コロナ禍前の7割に回復 GWの県内観光客
ゴールデンウイーク(4月29日~5月8日、10日間)に和歌山市や旧白浜町など県内の主要観光地7カ所を訪れた観光客数は75万8100人だった。新型コロナウイルスの感染状況が一時落ち着き、行動制限が行われなかった影響で、21年(11日間)の1・8倍となり、緊急事態宣言が全国に発令されていた20年(12日間)との比較では13・8倍に増え、コロナ禍前の19年(10日間)の7割まで回復した。
県による調査で、対象は、和歌山市、高野町、田辺市龍神村、同本宮町、旧白浜町、那智勝浦町、旧串本町の7地域。
全体では宿泊客が21年比233・3%の15万600人、日帰り客が同173・0%の60万7500人となり、宿泊客は2・3倍、日帰り客は1・7倍まで増加した。一日平均では宿泊客が1万5060人(前年比9192人増)、日帰り客が6万750人(同2万8831人増)、総数は7万5810人(同3万8023人増)だった。
好調だったコロナ禍前の19年との比較では、宿泊客は70・6%、日帰り客は69・8%、総数は70・0%で、依然として観光への打撃は続いているものの、県は「宿泊、日帰りともに県外からの観光客が増加した」としている。
和歌山市は総数24万1900人(宿泊1万3600人、日帰り22万8300人)で21年比172・0%。22年4月に道の駅「四季の郷公園」が第2期のリニューアルオープンをしたことや、同月に紀三井寺にケーブルカーが新設され、徒歩での参拝が無料化されたことなどが増加の一因とみられている。
串本町は総数5万5400人(21年比224・8%)で最も増加幅が大きく、コロナ禍前の19年との比較でも9割近くまで回復。22年4月にリニューアルオープンした串本海中公園センターへの来場者などが増えた。
旧白浜町は総数20万4000人(21年比214・1%)に増加。「本州で最も早い」とのPRで知られる白良浜海水浴場の海開きが5月3日に行われ、天候にも恵まれたことが増加につながった。
高野町は総数6万4500人(21年比141・3%)で最も回復幅が小さかった。大河ドラマ「鎌倉殿の13人」に関連する企画展の開催、北条政子が建立した多宝塔の特別開帳などが日帰り客増加の一因となったが、インバウンド減少の影響で宿泊客数は低迷が続き、19年の2割に満たなかった。