過去最多の1384人 コロナ感染で医療逼迫
和歌山県が21日に発表した県内の新型コロナウイルス新規感染者は1384人で、これまでの過去最多(17日、791人)を大幅に更新し、前週の同じ木曜に比べて809人増えた。新たなクラスター(感染者集団)は病院や高齢者施設などで6件を認定。急激な感染拡大が続き、医療機関は逼迫(ひっぱく)し、保健所による感染者の調査などにも遅れが出ている。
1384人の保健所管内別内訳は、和歌山市が過去最多の968人、海南47人、岩出82人、橋本74人、湯浅59人、御坊41人、田辺68人、新宮41人、県外4人。和歌山市の急増は、民間検査機関からの陽性者の報告が集中したことが一因とみられ、日によって増減はあると考えられるが、県は増加傾向に間違いはないとみている。
新規クラスターの場所と感染者数は、492例目が和歌山市の有料老人ホームで入居者4人と職員1人、493例目が海南管内の通所介護事業所で利用者7人と職員3人、494例目は同市の通所介護事業所で利用者8人と職員5人、495例目は湯浅管内の病院で入院患者4人と職員3人、496例目は海南管内の運動クラブで所属の小学生10人、497例目は同市の高校で生徒22人と職員1人だった。
直近1週間の人口10万人当たりの新規感染者数は、県全体が前日比87・6人増の545・2人で、過去最多を更新。保健所別でも、和歌山市の759・1人をはじめ、海南、岩出、湯浅、田辺の計5管内が過去最多を更新した。
県内の感染者は累計5万4735人。入院者数は333人、重症者は県基準で22人、国基準の該当者は1人、肺炎患者は44人。自宅やホテルでの療養者は4632人。
病床使用率は62・9%で、2月17日以来154日ぶりに60%を超えた。手厚い看護が必要な高齢の感染者の増加、新型コロナ受け入れ医療機関での院内感染の発生などにより医療スタッフが不足し、入院対応が困難になっており、入院の優先順位を決めるトリアージを行う事態が生じている。
県福祉保健部の野㞍孝子技監は、感染を広げないために、県民一人ひとりが感染予防対策を徹底することが重要と強く訴えた。