夏の甲子園が開幕 智弁の岡西主将ら行進
第104回全国高校野球選手権大会は6日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で開幕した。大会は3年ぶりに一般客を入れて実施。開会式の入場行進は各校の代表が場内を一周する形式で行われ、昨年優勝、和歌山県代表の智弁和歌山は岡西佑弥主将と渡部海副主将が堂々と行進した。
5日のリハーサルでは、各校とも登録メンバー全員の18人が参加していたが、大会本部が「選手が集まり、近いところにとどまることは避けるべき」と判断し、原則として智弁以外の各校は主将のみ参加が認められた。
事前のPCR検査で集団感染と判断された浜田(島根)、帝京五(愛媛)、有田工(佐賀)、九州学院(熊本)、岐阜商(岐阜)、九州国際大付(福岡)の6校を除く、43校の代表校が南の興南(沖縄)から順に入場した。前回大会優勝の智弁和歌山は先頭に姿を見せ、岡西主将と渡部副主将が胸を張り、落ち着いた表情で聖地の芝と土を踏みしめた。
始球式には、2006年の第88回大会で早稲田実(西東京)優勝に導いた元プロ野球日本ハム投手の斎藤佑樹さん(34)が登場。今も衰えない直球のボールを披露し、球場を沸かせた。
祝辞で、末松信介文部科学大臣は77年前のこの日に広島に原爆が投下されたことにふれ「野球ができる平和に感謝したい」と述べ、「ほんの一握りの若者しか経験できない甲子園の舞台に立てたことは、皆さんの財産になる。持てる力を振り絞って悔いないように最後の最後まで頑張り抜いてください」とあいさつ。選手を代表し、横浜(神奈川)の玉城陽希(たましろ・はるき)主将(3年)が「高校野球の新たな歴史に名を刻めるように、一球に全力をそそぎ、一投一打に思いをのせて高校生らしく堂々と全身全霊でプレーし、最高の夏にすることを誓います」と宣誓した。
開会式後、前回大会で優勝を経験している智弁和歌山の岡西主将は、「先頭で入場できたことはうれしかったが、他の選手も分までという気持ちで歩いた」と話し、「いまは優勝旗を和歌山に持ち帰りたい一心」と決意を新たにしていた。