桃の余韻を楽しんで もものエール販売好調

まるで桃をまるごとかじったような味わい――。全国トップクラスの生産量を誇る和歌山県紀の川市の桃を使ったクラフトビール「もものエール」の販売が始まった。

同市と大阪府泉佐野市の連携事業の一環。手掛けたのは、6月中旬から8月中旬にかけて最盛期を迎える桃を生産する農家と、南大阪最大級の醸造設備を有したクラフトビール醸造所「泉佐野ブルーイング」。

昨年は500本限定で売り出し、即日完売した。2年目のことしは約2000本を販売。9月5日に500本の追加販売を予定している。

原料となる桃「白鳳(はくほう)」は、市内の八旗農園が契約農家から1、2級品以外の規格外品を集めて加工した。同農園の高平昌英代表取締役(51)は、「小麦ビールのように泡がきめ細かく、フルーツのピューレが入って飲みやすい」と太鼓判。「麦芽が桃の糖分を吸収してくれるため、角がとれたまろやかな味わいのビールに仕上がった」と話した。

中浴(なかさこ)泉専務取締役(64)は、「市内の農家が丹精込めて作った桃が商品になってくれることは、生産者にとってうれしい」と喜び、「桃の余韻を楽しみながら飲んでいただきたい」と話している。

330㍉㍑入りで660円。紀の川市内の酒類販売店、産直市場、道の駅「青洲の里」で販売している。

八旗農園の高平代表取締役㊧と中浴専務

八旗農園の高平代表取締役㊧と中浴専務