鳥獣被害2億6000万円 21年度県まとめ
2021年度に和歌山県内で発生した野生鳥獣による農作物の被害額は2億6164万2000円で、前年度より2843万3000円(10%)減少し、1998年度以降で2番目に低い水準となったことが県のまとめで分かった。イノシシの被害が特に減り、豚熱の流行による生息数の減少が影響しているとみられる。
被害額を加害鳥獣別に見ると、イノシシが9177万1000円(前年度比3691万7000円減、構成比35%)で最も多く、シカ5510万3000円(同1231万8000円増、21%)、サル4393万4000円(同244万円増、17%)、アライグマ2467万3000円(同820万9000円減、9%)と続いている。
農作物別では、果樹の被害額が79%と大半を占め、野菜が11%、水稲が5%となっている。
イノシシの被害は市町村別でも24市町で減少した。県内では20年10月に初確認された豚熱により、イノシシの生息数が減少したことが要因とみられる。県農業環境・鳥獣害対策室は、22年度以降も減少が続くのか、動向を注視する。
被害額が増加したシカは、生息数が増加傾向で推移し、同室は「対策はしているが、なかなか減らせていない」と話す。20年度は約1万5000頭を捕獲し、生息数は推定約6万5000頭。県は「第2種特定鳥獣管理計画」(22~26年度)で、シカの年間捕獲数1万9000頭以上を目指し、被害の減少を図る。
本紙エリア市町の被害額は次の通り。
【和歌山市】イノシシ92万5000円▽アライグマ432万9000円
【海南市】イノシシ671万1000円▽シカ3万4000円▽アライグマ55万円
【紀の川市】イノシシ1179万9000円▽シカ261万3000円▽アライグマ493万1000円
【岩出市】イノシシ13万2000円▽アライグマ24万8000円
【紀美野町】イノシシ283万2000円▽シカ175万1000円▽アライグマ20万4000円