相続登記の義務化周知へ 信愛中学生が協力

所有者不明の土地問題解消に向けた民事基本法の見直しにより、2024年から相続登記が義務化されるのを前に、和歌山地方法務局は和歌山信愛中学校(和歌山市屋形町)の生徒に協力を仰ぎ、周知に向けて広報活動のアイデアを考えてもらう取り組みを始めた。

法務局によると、全国で所有者不明の土地が占める割合は九州本土の大きさに匹敵するといわれ、公共事業や復旧、復興事業が円滑に進まず、隣接する土地への悪影響が発生するなど、さまざまな問題が起こっているという。

担当するのは、同中学校が本年度から新たに創設した通常のカリキュラムに探究型学習を導入しているiコースの3年生。

まずは相続登記について理解を深めてもらおうと、22日に同局で講義が開かれた。野上和也統括登記官が所有者不明土地関連法とその広報の重要性、将来は若い世代にも降り掛かる問題だと話した後、生徒は5班に分かれ、どんな広報をすれば効果的なのかを話し合った。

生徒からは「有名人が宣伝する」「映画の上映前に広告を出す」「ゲームとのコラボ」「お菓子のパッケージに書く」など、さまざまなアイデアが出された。

増井彩乃さんは「ユーチューブなど身近なものを頼りにして答えを出したい」、蒸野菜々花さんは「ネットを見ない人にも届くよう街中にある看板でPRしたらどうかと考えている」と話した。

今後、週2回の授業の中で広報の仕方を練り、11月17日に一班10分で発表。最優秀賞に選ばれたアイデアは広報活動に使用される。

意見を出し合う生徒たち

意見を出し合う生徒たち