子どもたちに梅干しを 生産者がお話説明会

梅の収穫量日本一を誇る和歌山県特産の「梅干し」をより身近なものとし、子どもたちに食べる習慣を養ってもらおうと、県内の全小学校と特別支援学校で県、県教育委員会、県漬物組合連合会主催の「梅干しで元気!!キャンペーン」が実施されている。

同キャンペーンは本年度で18回目。県産梅干しを提供して給食で味わってもらい、梅干しの歴史や生産方法などをまとめた学習資料「梅と梅干しのお話」を配布している。

本年度は県内7校で「梅干し贈呈式」と「梅と梅干しのお話説明会」を実施予定。岩出市根来の市立根来小学校(庄司清弥校長)では、3日に行われた。

同連合会会員の梅干し製造業者、㈱トノハタ(みなべ町)代表取締役社長の殿畑雅敏さんと、㈱紀州ほそ川(同)代表取締役社長の細川達矢さんが来校し、4年生の代表らに、蜂蜜漬けの梅干し300粒と学習資料を手渡した。

贈呈に続き、細川さんがクイズを通して梅に関する知識が深まる紙芝居を披露。児童らは「梅干しを作るのに必要なものは塩と何?」や「梅干しは果物?それとも野菜?」などのクイズに答えながら、楽しく学んだ。

殿畑さんは、梅の栽培農家が最も忙しくなる収穫時期の仕事をまとめた動画を上映。梅干しができるまでの過程を紹介し、「ものを作るのがどれほど大変か分かってほしい。農家は人の命を支える仕事。『ありがとう』という気持ちを持って帰ってもらえれば」と話した。

また、大変な作業を続けていけるのは「好きだから」と伝え、「学校生活の中で『これがやりたい!』『これが大好き』と思うことを見つけてください」と笑顔で呼び掛けた。

児童らは「なぜ和歌山には梅が多いの?」「なぜ梅は体にいいの?」など積極的に質問。女子児童の一人は「梅干しは酸っぱいから嫌いだったけれど、農業の大変さや大切さが分かったから食べてみたいと思った」と笑顔で話し、給食で梅干しを食べるのを楽しみにしていた。

 

殿畑さん(右手前)と細川さんから梅干しと学習資料を受け取る児童ら