市域バス試験運用開始 和歌山市の7地区で

和歌山市は1日、公共交通が不便な市内7地区で、商業施設や病院などを経由して既存の鉄道や路線バスに接続する「地域バス」の試験運行を開始した。運賃は1回100円に設定し、1カ月1000円で乗り放題の定額利用サービス(サブスクリプション)も導入。来年2月末までの4カ月間、運行し、来年度以降の本格運行に向けてルートや利用頻度などを検証する。

試験運行は、路線バスが近年廃止となるなどした湊、有功、木本・西脇、安原、川永、四箇郷、紀三井寺の7地区で実施。一日6往復程度の運行となっている。

初日の1日、湊地区の湊文化会館では、午前7時45分の第1便に合わせて出発式が行われ、土橋弘同地区連合自治会長ら約50人の住民が参加。尾花正啓市長は「車を持たない人の外出が困難になっている。買い物や通院などに地域バスを利用してもらいたい」と呼び掛けた。

第1便には約10人が乗り込み、南海和歌山市駅へと出発。利用した住民の宮本準治さん(72)は「まだ車は運転しているが、今後を考えるとバスがあると便利だと思う。ずっと運行が続けられるよう、地域の皆で協力していけたらいい」と話していた。

地域バスの第1便に乗り込む住民ら(湊地区)

地域バスの第1便に乗り込む住民ら(湊地区)