新変異株「グリフォン」 県内で初確認

和歌山県は8日、新型コロナウイルスの新たな変異株「XBB」(通称グリフォン)に県内で初めて、男子中学生が感染したと発表した。

グリフォンはオミクロン株の「BJ・1」と「BM・1・1・1」に同時感染した人の体内で遺伝子の組み換えが起こって生まれたと考えられる変異株。9月にシンガポールで初めて確認され、東南アジアを中心に流行しており、日本では東京、鹿児島、兵庫などの都府県で確認されている。

ワクチンや感染によってできる中和抗体をすり抜ける性質があるとされ、感染率は高いとみられる一方、重症化リスクが高いとの報告はないという。

感染した男子中学生は、10月に家族3人でタイを旅行し、帰国後に発症。他の家族2人も新型コロナ感染が判明したが、グリフォンとは確認されていない。3人とも入院はせず、自宅療養を経て回復しているという。

8日に発表された新規感染者は407人で、前週の同じ火曜に比べ64人の増加。和歌山市の80代女性、田辺保健所管内の60代男性が死亡し、県内の死者は累計272人となった。

新規クラスター(感染者集団)は6件。発生場所と感染者数は、727例目が海南管内の介護老人保健施設で7人、728例目は新宮管内の特別養護老人ホームで23人、729例目は田辺管内の中学校で7人、730例目は湯浅管内の小学校で6人、731例目は同管内の保育所で25人、732例目は御坊管内のこども園で6人だった。

直近1週間の人口10万人当たりの新規感染者数は、県全体が前日比7・0人増の353・5人。

県内の感染者は累計14万6064人。入院者数は234人、重症者は県基準で28人、国基準の該当者は3人。肺炎患者は62人、病床使用率は96・7%となった。