SAFの安定供給が急務 和歌山製油所が生産拠点に
CO2の排出抑制が国際的に強く求められる航空分野において、排出する化石由来の燃料に代わり、「SAF(Sustainable Aviation Fuel)」と呼ばれる「持続可能な航空燃料」が注目されています。
今年10月に開かれた第41回ICAO(国際民間航空機関)総会において、従来よりも厳しい「CO2排出量の削減目標の達成」が決定されました。
日本は世界に遅れることなく、国内で安定的にSAFを開発・製造し、供給できる体制を早急に整えることが必要です。
昨年8月、私が最高顧問を務める「持続可能な国産燃料を考える会(SAF議員連盟)」が発足し、政府や航空・石油など関連業界と精力的に議論を進め、関係予算の確保や「持続可能な航空燃料の導入促進に向けた官民協議会」の設立に尽力。また、SAF議連による「廃食油などの貴重なSAF原料を国内に留め、効率的に回収・利用するための各省庁との連携、必要な原料確保策」などの提言をとりまとめ、岸田総理をはじめ、関係省庁の各大臣への申し入れをおこないました。
今年1月25日、突如、ENEOSホールディングスは、ガソリン需要の減少や施設の老朽化など他の製油所に比べ競争力が低いという理由で、和歌山製油所(有田市)の精製・製造、物流機能について2023年10月を目途に停止を発表。早期対応を求める地元関係者に対し、ENEOS、地元自治体や関係官庁などで組織された「今後の在り方に関する検討会」が立ち上がり、3回の検討会も開催されました。
11月24日、ENEOSは、SAFについて生産拠点を、当初検討していた横浜市の製油所から「和歌山製油所(有田市)」に変更。跡地利用や既存施設の再活用等を勘案した結果で、生産開始も2026年としました。地元にとって大きな朗報です。
今後、SAFを含めた脱炭素エネルギーの増産・拡大による地域経済の活性化や雇用の拡充・安定化につなげ、地元和歌山へ大きく貢献していきたいと思います。あわせて、国際競争力のある国産SAFの開発・製造・活用の推進のため、必要な取り組みや支援策を加速化するよう、引き続き、SAF議連を先導し、強く政府に求めていきます。