県政「一歩ずつ前へ」 岸本新知事が初登庁
11月27日実施の知事選で初当選した岸本周平新知事(66)が19日、和歌山県庁に初登庁し、公選第22代知事として県政運営を開始した。登庁式、引き継ぎ式、就任記者会見、職員への訓示など、慌ただしくスケジュールをこなした岸本知事は「県職員の皆さんと一緒に、笑顔で心を一つにして、市町村、県議会とスクラムを組んで、一歩ずつ前へ進めていきたい」と意欲を語った。
岸本知事の任期は土曜日の17日に始まり、18日には御坊市で開かれた「きのくにロボットフェスティバル2022」に初めて公務として出席。任期開始後、最初の開庁日の19日が、県庁での執務スタートとなった。
午前9時25分、公用車で県庁に到着した岸本知事は、正面玄関前広場で県職員や県議ら約500人の歓迎を受けた。職員の代表から花束を受け取り、「これからの県政のかじ取りを任された責任の重さを痛感している」「仁坂吉伸前知事が16年間で作り上げた素晴らしい功績を踏まえ、着実に前進していきたい」と決意を述べた。
下宏副知事の案内で知事室に入り、初めて執務の椅子に座った岸本知事は、同10時から仁坂前知事との引き継ぎ式に臨み、新旧両知事が引継書に署名した。
就任記者会見で岸本知事は、県庁の役割を「県民を幸せにすること」と改めて表明。「幸せな人は笑顔でいるので、われわれのミッションは県民の笑顔をつくり、増やしていくことだ」と述べ、自身や職員が市町村や県民の現場の声を聞き、課題を把握した上で、第1次産業や観光の振興、子育て支援の充実などの政策課題に取り組む意欲を示した。
職員への訓示では、県民の笑顔をつくるためには、職員一人ひとりも幸せになることが重要と強調し、「年齢や性別にとらわれない自由な職場」を目指すことを明言。その上で、「県民の県庁を見る目は厳しい。上司の顔色をうかがうのではなく、県民の皆さんの方に顔を向けてほしい」と訴え、知事に対しても忖度(そんたく)せず、意見が違えば堂々と言い、笑顔で協議することを呼び掛けた。