歴史と伝統を誇りに 日方小が創立150周年
和歌山県の海南市立日方小学校(西村充司校長)が創立150周年を迎えた1日、同校体育館で記念式典が行われた。西村校長は「日方小学校には輝かしい歴史と伝統がある。これからの歴史は皆さんがつくっていく。ここで学んだことを誇りにし、エネルギーに変えて一生懸命頑張ってほしい」と児童にメッセージを送った。
同校は1873年に日方簡易小学校として、現在のきのくに信用金庫海南支店(同市日方)の場所に開校。1912年に、現在の地に校舎を新築し移転した。これまでの卒業生は、資料に残るだけで1万5000人以上、児童数は多いときで星、月、雪、松、竹組など1学年に7クラスあったという。
式典には、児童153人と150周年記念実行委員会役員(前智博委員長)や同校職員、保護者など30人が出席。前委員長は「活力ある学校や地域が求められる。これからも学校と保護者、地域が一体となり、学校内外で子どもたちを見守っていきたい」とあいさつした。
1970年度卒業の同市歴史民俗資料館の野田泰生館長や、76年度卒業のフリーアナウンサー笠野衣美さんの記念講演もあり、野田館長は、日方の地名は「干潟」が由来だということや、前校舎の前は港だったことなど、町や同校の歩みをスライドで紹介した。
港の目印として当時からあるクスノキは、きのくに信用金庫海南支店の前に今も残っていると話し、児童は同校の歴史に熱心に耳を傾けた。
児童代表の6年生、野﨑百栞さんは「この学校は祖父と母も卒業した学校。150周年という長い歴史のあるこの小学校で学んでいることに誇りと喜びを感じます。私たちはもうすぐ卒業ですが、在校生はこの小学校の伝統を受け継ぎ、もっともっと輝かしい小学校にしていってほしいです」と述べた。