高レベル放射性廃棄物 NUMOが説明会
高レベル放射性廃棄物の最終処分について、資源エネルギー庁、原子力発電環境整備機構(NUMO)主催の対話型全国説明会が2日、和歌山市の和歌山商工会議所で開かれた。市民ら28人が参加し、地下に埋設する「地層処分」の方法や処分地選定の進め方などの説明と質疑が行われた。
17年以降、全国各地で開かれ、今回で164回目。県内では4回目となった。
原子力発電で発生した使用済み核燃料から再利用できるプルトニウムなどを回収し、廃液をガラスに溶かし込んで固化体にしたものを「高レベル放射性廃棄物」と呼び、国内には処理前を含み、すでに約2万6000本相当があるという。
放射能が自然界に存在するレベルに低減するには数万年を要し、地上での保管は自然災害などの影響を受けるリスクが高いことから、地下300㍍以上の岩盤に埋設する「地層処分」が、現時点で国際的に最も安全で実現可能な処分方法とされている。
4万本以上埋設できる最終処分地を全国に1カ所設ける方針で、現在は、ボーリング調査を行うかどうかの検討材料を集める文献調査が、北海道の寿都町(すっつちょう)、神恵内村(かもえないむら)の2カ所で20年11月から行われている。
説明会では基本説明の後、5人程度のグループごとに、参加者の質問に担当者が答えた。
参加者からは「最終処分地は1カ所で足りるのか」「テロや紛争で核廃棄物が攻撃されるリスクは想定しているのか」「埋設完了後も安全性のモニタリングが必要ではないか」など、主に安全性を巡ってさまざまな質問が出ていた。