4年ぶりの福つかめ 紀三井寺で餅投げ盛況

初午(はつうま)の1日、和歌山市の紀三井寺(前田泰道貫主)で「初午福つき大投餅」があり、約300人の参拝者らは無病息災を願い、福餅を持ち帰った。

新型コロナウイルスの影響で4年ぶり。境内に設けられた特設台には、ことしの福男として、1月9日に開かれた福開き速駈詣りで「速駈王」となった京都府在住の消防士・石田諒太さんと、年男6人が並んだ。福男と前田貫主は「厄をはらって福を授かりましょう」という掛け声で福餅約5000個の他、パン、菓子、洗剤やスポンジなど地元の協賛企業の商品も一緒に投げた。

「大福」と赤く書かれた直径約80㌢の特大福餅は、投げると危険ということで、割って配られた。

最年長の年男、赤土恒和さん(95)は、いすが用意されていたが、壇上に上ると気分が高揚した様子で立ったまま餅を投げ、勇ましい姿を見せた。次の年男、108歳で餅を投げることを目指しているという。

毎回来ている和歌山市の80代女性は「久しぶりに餅まきを見られてうれしい。前はもっと激しくて、怖くて中に入れなかったけど、ことしはみんなにいき渡るよう優しく投げてくれた」とパン4個、餅3個を手にしてにっこり。前田貫主は「皆さん餅投げを渇望していたようで、無事にできて安心している。コロナが早く終息し、潤いのある社会になるよう願っている」と話した。

 

福餅を求めて手を伸ばす参拝者ら