修学旅行でVR映像 和大付属中3年が制作

15日に卒業した和歌山大学付属中学校(和歌山市吹上)の3年生が修学旅行を素材に制作したVR映像「VRでめぐる四国の旅」の完成上映会が16日、同大観光学部のデジタルドームシアターで開かれ、出席した約100人がプロジェクターに映し出された360度の映像に歓声を上げた。

修学旅行先の四国の魅力を分かりやすく伝え、訪れてみたいと思わせる表現力や情報の扱い方、共同で作業を進める協調性を育むことを目的とした、国語科のプロジェクト型学習の一環。

昨年10月には、同学部長の尾久土正己教授と国際観光学研究センター客員フェローの山本道雄さんが同校を訪れ、生徒らにVR映像の特徴や360度の範囲を撮影できるVRカメラの使い方などをレクチャーした。

生徒らは同月、修学旅行先の四国で班ごとに分かれ、吉野川でのラフティングや天日塩づくり体験などを、VRカメラを使って撮影。約2週間かけてテロップやBGM、ナレーションを入れるなどの編集作業を行い、出来上がった作品は各自がiPadで鑑賞した。

スマートフォンで視聴できる一般的なVR映像を、同大がデジタルドームシアターの映像用に再編集。増本澪さん(15)は「iPadで見るのと違って、奥行きを感じながらリアルに体験できた。うまくできていた」と話した。

玉置凪さん(15)は「VRカメラは360度映せるので、カメラを持った自分が入り込まないように頭の上にカメラを持ち上げて撮影した」と振り返り、「貴重な体験ができて楽しかった」と笑顔。「修学旅行が終わった後も編集とかをしながら余韻に浸れて、より思い出深いものになりました」と話した。

尾久土教授は「カメラの動き方や編集の仕方など、中学生らしいものすごく自由な作品ができていて、新鮮だった」と評価。「スマホやタブレットでも比較的簡単にVR映像が作れるので、卒業後も新しい情報発信にどんどん挑戦していってもらいたい」とエールを送った。

 

シアターでVR映像を楽しむ生徒たち