県防災ヘリに新機体 機能追加で活動充実へ
和歌山県は、消防防災ヘリコプター「きしゅう」に新機体を導入した。ヘリから撮影した映像を地上に送る「ヘリコプターテレビ電送システム」の常設や、山などが機体に近づくと警報を発する装置など、新たな機能を追加。航空隊員の訓練を経て、新機体での運航を始める。
県災害対策課によると、「きしゅう」は、南紀白浜空港(白浜町)の防災航空センターを基地とし、救助や山林火災の消火などの際に出動している。現行の機体は1996年から使用され、老朽化のため新機体を導入することになった。
新装備の電送システムは、従来はカメラやモニターを機体に持ち込んで使用していたが、新機体には常設となる。
地上からの高度を測りながら、山などが機体に接近した際に警報を出す「対地接近警報装置」により飛行の安全性も向上。空中で静止する「ホバリング」を自動で行う機能も追加された。
新機体は3月29日に納入済みだが、使用する航空隊員10人が機体に習熟する訓練が必要なため、新機体での運航開始時期は未定。
同課は「新機体についても引き続き、県民の生命、身体、財産を空から守るべく、救助活動、救急患者の搬送及び山林火災の消火活動などに貢献していく」と話している。