公約比べ模擬投票も 和大付小で出前授業

国や地方公共団体の財政を支える「税」と、その税の集め方や使い方を決める代表者を選ぶ「選挙」の密接な関係を学んでもらおうと、和歌山税務署と県選挙管理委員会事務局は2日、和歌山大学付属小学校(和歌山市吹上)で出前授業を共同開催し、6年生約80人が模擬投票を体験した。

出前授業は、和歌山税務署の阿南由紀子さんによる税の講義から始まり、阿南さんは「税金は健康で安全な暮らしができるために、みんなから集める会費のようなもの」と説明。

日本には現在約50種類の税金があり、中には「紀の国森づくり税」といった県独自の税金があることや、学校や警察、消防なども税金でまかなわれており、小学生1人当たりに1年間で使われる税金は約93万円に上ることなどをクイズ形式で分かりやすく紹介した。

模擬投票では、同校の教員2人が立候補者役となって児童らの前で演説。「屋内プールの設置」と「グラウンドの芝生化」をそれぞれの公約として掲げ、メリットの他、維持費などを捻出するための増税についても訴え、「清き一票を」などと〝有権者〟の児童らに呼びかけた。

児童らは実際の投票所で使われている記載台で、選びたい候補者の名前を投票用紙に記入し、ワクワクした様子で本物の投票箱に入れていった。

開票時には担当児童らが振り分け作業をし、機械で枚数を確認。無効票が1票あり、46票対30票で「グラウンドの芝生化」が公約の教員が選ばれた。

木村龍玖(たつく)さん(11)は「本物の選挙にはまだ行けないから、投票箱とか見られてうれしかった」、有井琴乃さん(11)は「選挙ってどうやるんかなと思っていたけど、意外に楽しかった。こんなふうに自分で決めれるなら18歳になったら選挙に行きたい」とにっこり。

平井智貴さん(12)は「高齢者の数が増えているので、若者の1票を2票や3票分にして、もっと若者の意見を反映できるようにしてほしい」と話した。

同事務局の入江基旭(もとき)さんは「投票の作業は簡単だけど、選挙は自分たちのリーダーを決める大切なこと。18歳になった時にきょうの体験を思い出して『選挙に行かないとな』と思ってもらえれば」と呼びかけた。

 

本物の投票箱へ投票用紙を入れる