素材生かした梅酒に 中野BC恒例の初仕込み
和歌山県海南市藤白の酒造メーカー、中野BC㈱は6日の「梅の日」に、ことし初めての梅酒の仕込みを行った。
県内の契約農家で育てられた2L(4㌢)サイズ以上の収穫されたばかりの「南高梅」を約23万粒、約8・5㌧使用。四代目となる梅酒杜氏の藤原弘彰さん(47)ら9人が、高さ4・2㍍、直径2・6㍍のほうろう製の特大熟成タンクの上から豪快に投入していき、工場内は梅の甘い香りがいっぱいに広がった。
一般的に梅酒造りには硬い青梅が使われるが、同社では木熟の手摘みした梅を使用している。
ジューシーでふっくらとした肉厚感が特長で、採れたて完熟梅のフルーティー感を閉じ込めた豊穣(ほうじょう)な香りや味わいが楽しめ、濃厚で飲み応えのある梅酒に仕上がる。
藤原杜氏はことしの梅の実について「春先の穏やかで安定した気候と適度な降雨でメリハリのある天候だった。傷のないとても良い梅です」と話し、「農家さんが丹精込めて作った梅。素材の味を生かした梅酒を造りたい」と意気込みを語った。
漬け込んだ梅酒は定期的に攪拌(かくはん)しながら、梅のエキスを抽出していく。ことしは200~300㌧の梅を35基のタンクに漬け込む予定。この日、漬け込んだ梅酒は11月末にヌーボーとして市場に出回る。