命頂くことに感謝を 子ども園でマグロ解体
食育の一環として食べ物や命の大切さを知ってもらおうと、ようすい子ども園(和歌山市西浜、嶋本光子園長)で8日、マグロの解体が披露され、年少、年中、年長児約140人が間近で見学した。
同市太田の日本料理店「三八波」の出前授業で、今回で18回目。年に1度の恒例行事を心待ちにしていた園児らは、同日朝に那智勝浦漁港から届いたばかりの体長約170㌢、重さ約50㌔の大きなキハダマグロが登場すると、歓声を上げて喜んだ。
㈱三八波の田上義人代表取締役社長(55)は「すしや刺し身で食べることが多いマグロは、本当はこんな形をしています。包丁で切っていくのでじっくりと見てくださいね」と伝え、マグロを頭から解体し、手際よくさばいていった。
園児らは拍手を送りながら見つめ、解体後は「マグロは何を食べているんですか」「なぜマグロは海の中で泳ぐの」など、いくつもの質問を投げかけたり、マグロの歯や尻尾、心臓などを間近で見学したり、貴重な体験を楽しんだ。
田井翔晴(しょうせい)ちゃん(5)は「マグロの心臓はハートの形をしていたし、小さい歯がいっぱいあった」とにっこり。中村友香(ゆうか)ちゃん(5)は「尻尾の大きさにもびっくりした。マグロの給食、早く食べたいな」と楽しみにしていた。
園児らはこの後、間近で見たマグロの絵を描き、給食にはマグロの竜田揚げを味わった。田上社長は「大きな生のマグロをおろしていく過程を見て、園児の時から、あらゆる物の大切さを理解し、命を頂くことに感謝してもらえれば」と話した。