大きく、おいしくなあれ 山口地区で田植え

和歌山市立山口小学校(同市里、川畑豪則校長)の5年生50人は19日、もみまきから約1カ月半、大切に育ててきた苗を、同地区連合自治会内のまちづくり協議会が運営する約1反の学童農園に丁寧に植えた。

食育教育や地域活性化などを目的として2017年に開始。ことし初めて同市立山口幼稚園の4、5歳児8人も参加し、20人以上の地域住民とJAわかやまの職員2人も協力に駆け付けた。

最初に苗の植え方を教わった児童らは、はだしになって田んぼに入り、地域の〝田植え名人〟らと共に「おーきくなあれ、おいしくなあれ」と元気よく掛け声を合わせながら苗を植えていった。

「声掛けは肥料になるぞ」と聞いた児童らは、立派な米が育つよう、より一層声に力を込め、田園には元気な掛け声が響いていた。

女子児童は「みんなで声掛けをしながら植えていくのが楽しかった」とにっこり。男子児童も初めての体験に「最高」と満面の笑みを見せ、「米ができたら5杯おかわりをして、農家の人への感謝の気持ちを忘れずに1粒残さず味わいたい」と話した。

田んぼの半分ほどまで進んだ児童らに苗を放り投げて渡す〝名物〟の「苗ほり」も行われ、児童らは餅ほりのように「こっち、こっち」と手をたたいて呼び、投げ入れられた苗に大きな歓声を上げながら楽しんでいた。

同地区連合自治会の平岡卓治会長(61)は「ことしは苗の大きさも今までで一番いい」とたたえ、「やっぱり地域の活動の基本は子どもが中心。土に慣れて楽しんでくれていてうれしい」と笑顔で話した。

育てた米は秋に稲刈りをし、調理実習などで使う他、同地区文化祭でも販売する予定。

声掛けをしながら苗を植える児童たち

声掛けをしながら苗を植える児童たち