健康な足づくりの一助に 小児靴の手引き書
一般社団法人日本フットケア・足病医学会は、小児靴の専門家と、足の治療に携わる医師たちがまとめた「小児靴の手引き書2023」を発刊した。子どもたちの足を健康に育てるために必要な情報が、写真や図、表などを多用しながら分かりやすく紹介されている。
同会では、足に関する疾患(足病)に携わる専門職種・業界が集まり、フットケア、予防、診断、治療、教育、研究、知識の啓発などを行っている。
生涯歩き続けられるための健康な足づくりは、小児期からの靴選びが大きく関係する。「靴選びは重要だが選び方が分からない」という声が多い中、専門者教育が追い付いていない現実が緊急の課題。そこで医学的・学術的に正確な知識を基に、今まで明らかにされてこなかった小児靴の選択指標となる手引書を作成した。
同会では子どもの足・靴改革ワーキンググループを立ち上げ、日本人に多い外反偏平足は学童期前からすでに始まっているのではないかと考え、足が成長する大切な時期に、履きやすいが脱げやすいズック靴でよいかなどを検証。小児靴の年代別役割、足の形のタイプ別靴選び、必要な10の機能、などを詳しく解説している。
同会の評議員で、和歌山市市小路のいこいの訪問看護ステーション管理者で看護師の吉本和子さんは、20年以上腎臓病の患者と向き合ってきた。足に傷をつくると治りにくいため、2000年にフットケア指導士の資格を取得。専門知識と技術を身に付け、下肢の障害を予防・ケア・フォローアップを行っている。
吉本さんは「今まで靴の選び方を誰にも教わったことがないという人がほとんど。どういう目線で選べばいいかの指針になる本」と、同書を和歌山市内の幼稚園、小学校、県看護協会、県訪問看護ステーション連絡協議会に寄贈した。
「小児靴の手引き書」は400円。購入は書店で取り寄せるか、販売サイト。