七曲市場を盛り上げたい 和大付小が職場体験
「八百屋さんのお野菜おいしいですよ」「駄菓子屋さんに来ませんか」――。かつては大勢の買い物客でにぎわった和歌山市東長町の「七曲市場」に子どもたちの元気な声が響く。かつての活気を取り戻そうと、和歌山大学付属小学校(同市吹上)3年A組の児童29人が23日、同市場内の雑貨屋や花屋、魚屋、焼き鳥屋など10店舗で手伝いをし、市場を盛り上げた。
同クラスでは4月から、「自分の幸せ+周りの人の幸せ」をテーマに総合的な学習を進めている中で「ものづくりを行い、商品を販売することでたくさんの人を幸せにしたい」との思いが児童から出たという。
そこで5月に「町たんけん」で訪れた同市場のカフェ&雑貨店「SEVEN DOORs(セブンドアーズ)」に依頼し、同校で出前授業を開催。客足が減っていることなどを知った児童らが、「自分たちも手伝いながら市場を盛り上げたい」と直談判し、10店舗の協力を得てこの日の職業体験が実現した。
児童らは事前に担当店舗に分かれてチラシを作成し、全校児童の保護者らに配布。この日は、同市場に保護者らも多く訪れ、児童らが一生懸命に魚を並べたり、注文を受けたり、商品を渡したり、手伝いに奮闘する姿に目を細めた。
魚屋の手伝いをしていた荒木智晴さん(8)は「こんなに魚の種類があることに驚いた」といい、「大変やけど楽しい。にぎわってくれてうれしい」と笑顔で話した。
「フラワーショップみいど」では、岡島由衣さん(9)と小川花夏(はな)さん(8)が店主の三井戸美佐さん(79)を手伝っており、岡島さんは「初めての職場体験にすごくドキドキしながら楽しみにしていた」とにっこり。「お客さんもすごくニコニコしていて、かわいいお花さんもうれしいと思う」と話した。
将来、花屋で働きたいという小川さんは「お客さんが笑顔でお花を受け取れるようなお店にしたい」と笑顔。三井戸さんは「これを機に家族とまた市場に来てくれたらうれしい」とほほ笑んだ。