甲子園懸け市和歌山VS和北 準決勝も熱戦

第105回全国高校野球選手権記念和歌山大会は14日目の26日、和歌山市毛見の紀三井寺公園野球場で準決勝2試合が行われ、第1試合では市和歌山が和歌山南陵を3―0で撃破。第2試合では和歌山北が桐蔭に8―2で勝利を収めた。両校は28日の決勝で、甲子園出場を懸けて対戦。市和歌山が勝てば7年ぶり7回目の優勝(甲子園出場は6回目)、和歌山北が勝てば初優勝となる。

 

【準決勝・第1試合】

和歌山南陵 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
市和歌山 0 2 0 0 0 0 1 0 × 3

〔南〕片岡―松谷〔市〕栗谷、小野―麹家▽本塁打=玉置(市)▽三塁打=上田(南)▽二塁打=上田(南)

 

市和歌山は2回裏、先頭の大江が敵失で出塁し、1死から村上が犠打。2死二塁として、続く玉置に左本塁打が飛び出し、2点を先制した。

市和歌山のエース・栗谷は、制球を重視した投球で、南陵打線を7回まで零封。3、4回には得点圏に走者を背負うも、粘りの投球を見せた。しかし市和歌山打線も、南陵のエース・片岡の前に3~6回は0を並べた。

試合が動いたのは7回裏。市和歌山は、先頭の大江が二遊間をゴロで抜いて出塁する。その後1死一、三塁の好機をつくると、再び玉置。左犠飛を放ち、貴重な3点目を挙げた。

市和歌山は8回から、継投した小野が丁寧に低めに集める投球を披露した。8、9回を無失点で締めくくり、2年ぶり11回目の決勝に進んだ。

全打点をたたき出した玉置大翔選手は、自身高校初の本塁打に笑顔。決勝に向け、「絶対に甲子園に行きたい。チームバッティングをしてチームを助けたい」と意気込んだ。

 

2回裏に2点左本塁打を放った玉置選手㊨(市和歌山)

 


【準決勝・第2試合】

和歌山北 1 1 1 1 0 3 0 0 1 8
桐蔭 0 0 0 2 0 0 0 0 0 2

〔和〕比嘉、七野―村上〔桐〕白川、中田、中尾―宇治田▽二塁打=井上、吉田、井端2(和)、淡路、三原(桐)

 

和北は序盤に、桐蔭の2年生エース・白川を攻め立てた。初回には2死二塁から、井上が右翼線に適時二塁打を放ち、先制に成功。続く2回には吉田の右適時二塁打、3回には井上の左犠飛、4回には吉田の中前適時打で、4回まで各回1得点を挙げた。投げては今大会初登板の比嘉が、桐蔭打線を3回まで零封した。

対する桐蔭は4回裏、先頭の淡路と三原の連続二塁打で1点を返す。ここで和北は七野に継投も、1死を取った後に連続四球で満塁。桐蔭は岡田の二ゴロの間に得点し、この回に2点を奪った。

2点差に迫られた和北は6回表、2死満塁の好機で井端が走者一掃の適時二塁打を放ち、一挙3得点。9回にも、高瀬の一適時打で8点目を挙げた。七野は、5回以降は桐蔭打線に得点を許さず。和北は桐蔭を8―2で下し、市和歌山との決勝へこまを進めた。

和北の辻本仁嗣監督は、欲しい場面で適時打が出たとし、初の決勝戦は「北の野球を、楽しく一生懸命にする」と意気込んだ。桐蔭の宇治田大樹主将は、大会を振り返り、「これまでに負けていた相手に勝ててうれしかったが、決勝にも行きたかった」と涙した。

6回に3点適時二塁打を放った井端選手(和北)