新事業の創出へ 和歌山戦略経営塾が開講
和歌山県内の経営者や後継者らの経営スキル習得やビジネスプラン創出、人脈の形成などを目指す、「和歌山戦略経営塾」が6日に開講した。一般財団法人日本総合研究所の寺島実郎会長が塾長、三重大学大学院地域イノベーション学研究科の西村訓弘教授が副塾長を務め、来年2月まで月1回、全6回の日程で、25人の受講生が学びを深める。
経営塾は、県が過去10回行われた「わかやま塾」を見直し、将来のビジネスに向けた話し合いの場になればと、グループディスカッションなどを加えて初開講。建設業や観光業、医業、林業など、幅広い業界の経営者や後継者らが受講する。
寺島塾長や西村副塾長の他、㈲ゑびやの代表取締役社長などを務める小田島春樹氏や、慶應義塾大学医学部の桜田一洋教授ら、各界で活躍する有識者や経営者らを迎えた講義や、グループディスカッションなどを実施。第3回には全国の経営者との交流も予定されている。
同日、和歌山市湊通丁北のホテルアバローム紀の国で開会式が行われ、受講生22人と、岸本周平知事、寺島塾長、西村副塾長らが出席した。
開会式で岸本知事は「寺島先生、西村先生の人間力を学び、新しい和歌山のビジネスが出ることを期待している」とあいさつ。
寺島塾長は、時代認識とネットワークを深めることが経営に大切だとし、「誰に相談できるかで課題解決力が変わる。後で振り返った時に、一生の宝物になったと思えるネットワークをつくり上げてほしい」と呼びかけた。
西村副塾長は、「大切なのは、まずは自分をつくること。考え抜いて、講師の話を徹底的に理解してほしい」と話した。
あいさつに続き、受講者が自己紹介。名前や会社名、事業内容の紹介に加えて、「いろいろなアドバイスを頂きながら高め合っていきたい」などと、それぞれの意気込みを発表した。
開会式に参加した㈱アルテリーヴォ和歌山管理部の大野匠海部長(31)は、「サッカーチームは経営が感覚的になりがち。地域社会の求めている部分を理解して、企業経営の面を学びたい」と意気込んだ。
元美容師で、医療法人裕紫会中谷病院法人本部の中谷円企画室長は、今後は美容と医療の両面に携わりたいといい、「経営のビジョンを明確にするきっかけにしたい」と話した。