児童が「会社」設立 商工まつりで販売へ

商売の一連の流れを体験し、社会の仕組みを学んでもらおうと、和歌山市内の小学5、6年生を対象に「ジュニアエコノミーカレッジ」が開かれている。和歌山商工会議所青年部(和歌山YEG、久保田善文会長)が初めて企画。児童たちは全6回の講座で模擬会社を立ち上げ、資金調達や販売について学習。10月8日に同市の和歌山ビッグホエールで開かれる「わかやま商工まつり」で食品や雑貨、ゲームなどの店を出し、実践販売を行う。

ジュニアエコノミーカレッジは、2000年に福島県で第1回が開かれ、これまで51カ所の商工会議所青年部を中心に全国で開かれている。

商売体験を通じて、自ら決め、行動できる人材を育成すするプログラム。会社の設立に始まり、資本金と借入金の2万円でビジネスに取り組む本格的な内容となっている。お金の借入や材料の仕入れ、商品の企画・開発を担い、製造。販売計画を立てて販売し、その後は売上を計算し、納税、会社の解散までを体験する。

市内の小学校5校(宮、砂山、和大付属、智弁、中之島)から6チーム30人が参加。それぞれのチームは立ち上げた会社に名前をつけ、代表は社長を務める。手作りの名刺を作成し、交換会も行われた。

このほど開かれた3回目の講座では、児童たちは利益の付加価値について、事業計画・予算の立て方、店づくりのプランの立て方を学んだ。どんな商品を何個作り、どのくらい売ればいくら利益が出るのか、店のテーマやこだわりポイントを決め、お客さんに喜んでもらえるにはどうしたら良いのかなど、和歌山YEGの講師の説明や提案を受け、みんなで話し合いながら考えていった。

どうすれば商品がたくさん売れるかの意見交換では「小さな子どもには、おまけをつけたら喜んでくれると思う」、「お店の前にガチャガチャの機械を置くと楽しんでもらえるかな」などと、自由なアイデアを出し合っていた。

参加した智弁和歌山6年のチーム「㈱OOYAYOSHI」の社長、岡本諭依さんは「商工まつりではジュニアエコノミーカレッジの参加チームの中で売上の上位を目指したい。セミナーはすごくやりがいがあって楽しいです」と笑顔。和大付属6年のチーム「㈱ペンタ」の社長、瀬田英資さんは「会社をつくったりお店で商品を販売したり、なかなかできない経験。仕入れ値や数を決めたり、お金の配分が難しいけど、すごく楽しい。達成を目指して頑張りたい」と話していた。

意見を出し合う児童たち

意見を出し合う児童たち