25人が第一線へ 県警察学校初任科生卒業式
和歌山県警察学校(和歌山市木ノ本)で9月29日、初任科第155期生(短期課程)の卒業式が行われ、22~28歳の25人(うち女性8人)が警察官としての新たな一歩を踏み出した。
式には卒業生と教官らの他、在校生と保護者、来賓約100人が出席。
卒業証書を授与した田原正士学校長は「当校の校訓『自律・向学・活力』の精神を忘れず、常に活力あふれる態度で職務にあたってほしい」と式辞。山﨑洋平本部長が「10年後、20年後の和歌山県を安全にできるかどうかは諸君のこれからの努力にかかっている」と激励した。
卒業生を代表して、和歌山北署に配属される貝尻尚太郎巡査(22)が学校生活で支えてくれた周囲への感謝を述べ、「警察学校で学んだ職務に対する誇りと使命感を持ち続け、強さと優しさを兼ね備えた警察官になることを誓います」と力強く決意を述べた。
4月から約半年間、警察官としての基礎を学んだ卒業生らは、同日付で県内全12署に配属された。
式典の後は、保護者と再会。笑顔で卒業を報告し、苦楽を共にした仲間と記念写真を撮影していた。
式典で娘の美栄さん(28)の姿を見て涙を流していた紀の川市の篠田香寿美さん(59)は「成長した姿を見て感動で胸がいっぱい。誇らしく頼もしい。魚のフライやかぼちゃの煮物を作って食べさせてあげたい」と笑顔。美栄さんは5年間会社員として働いた後、警察官を目指した。周りのお年寄りに振込詐欺の電話があり、心配で自分にできることはないかと真剣に考えたという。配属先は新宮警察署。「誰からも信頼され、何でも相談してもらえる優しい警察官になりたい」と話していた。