チア関西代表目指し サンディーズわかやま
和歌山市を拠点に活動する3~15歳のチアダンスチーム「サンディーズわかやまチアリーダーズ」は、14、15の両日に大阪で開かれる「全日本チアダンス選手権大会・関西予選」に出場する。同チームは2020年に初出場し、予選を勝ち抜いて全国大会へ進んだが、新型コロナの影響で大会は中止。再び関西代表となってリベンジがしたいとの熱い思いで練習を重ねてきたメンバーが、本番に挑む。
チアダンスはチアリーディングから派生したダンス。アメリカでポンダンスと呼ばれ、独立したスポーツ競技として確立されている。組み体操のようなアクロバティックな要素はなく、ジャズダンス、ヒップホップ、バレエなどを組み合わせて踊るエンターテインメント性が高く、笑顔で人を応援し元気づけるダンス。
同チームの代表を務め、指導するのは、同市の北山桃子さん(43)。小さい頃からクラシックバレエ、ジャズダンス、タップダンスなどを習い、桐蔭高校を卒業後、慶應義塾大学に入学し、応援指導部チアリーディング部に所属。東京六大学のダンスイベントや、チアリーディング全国大会に出場した。卒業後は劇団四季に入団し、ミュージカル俳優として「美女と野獣」「エビータ」「アイーダ」などに主演し7年間活動。退団後は、オリックスバファローズ専属チアチームの初代総合ディレクターを務め、都内近郊でチアダンスなどを指導してきた。10年前に和歌山市に戻り、「和歌山でもチアダンスの楽しさを広めたい」と同チームを結成。現在約40人が所属している。
同大会は一般社団法人日本チアダンス協会が主催。全国8カ所で開催する各予選大会の上位チームが決勝大会に進む。関西大会は大阪市のエディオンアリーナ大阪で行われ、197チームがエントリー。
和歌山から参加するのは同チームのみ。踊りの種類、年齢など43部門に分かれて技を競う。同チームは小学生と中学生がポン部門に挑み、約2分の踊りを披露する。
ポン部門はポンポンを持って踊り、正確なモーションやダンステクニック、視覚効果が求められ、シャープでクリーンな動きでチームがシンクロし、一つに見えることが重要なポイントだという。
この日の練習では、しなやかな動きをつくるため、体幹を鍛え、爪先、指先まで全員の動きが一体となるよう、繰り返し確認していた。
北山さんはこれまでの経験を生かし、ダンスの技術だけでなく表現力も重視。ストーリー性が出るような曲を選び、歌詞の内容を振り付けに入れ、表情も指導する。「中身の伴わない笑顔はいらない。本当に気持ちが入った表情をしてほしい」とメンバーに話していた。
中学生チームは、ディズニー映画『アラジン』で王女ジャスミンが歌う『スピーチレス』などを踊る。チアダンスを始めて5年という石井彩さん(12)は「悲しさの中に力強さのある表現がしたい」と練習を重ねてきた。将来はダンス関係の仕事がしたいという岡野瑚々さん(13)は「難しいけど踊っていると楽しくなる。家に帰っても毎日鏡の前で練習している」とやる気満々。
技術と表現力を磨き上げ、関西代表となれるか、期待が集まっている。