地域バスを本格運行へ 和歌山市2地区で

和歌山市は26日、有功、木本・西脇の市内2地区で、商業施設や病院などを経由して既存の鉄道駅などに接続する「地域バス」の本格運行を11月1日に開始すると発表した。昨年度に行った試験運行で利用者が多く、継続が見込めるとして本格運行が決定。地域生活の利便性を高めることが期待されている。

持続可能な交通ネットワークの形成を目指し、市は昨年11月からことし2月まで、路線バスが廃止されるなど公共交通が不便な市内7地区で地域バスの試験運行を実施。有功、木本・西脇の2地区は1台あたりの乗車人数が1・5人を上回り、継続的な運行が可能と判断した。

市内で地域バスが本格運行されるのは、2013年度から運行を続けている紀三井寺地区を含め、3地区となる。

運営主体は住民中心の運営協議会が担い、運行業者は有功地区が和歌山バス那賀㈱、木本・西脇地区がユタカ交通㈱となっている。

有功地区の路線は、やまびこ公園からオークワ六十谷店などを経由してJR六十谷駅に至り、停留所は16カ所。木本・西脇地区の路線は、緑ヶ丘から和歌山労災病院、松源西庄店などを経由して八幡台に至り、15カ所の停留所を設ける。

運賃は200円で、70歳以上や障害者手帳を交付されている人、小学生は100円、未就学児は無料となっている。

26日の定例記者会見で尾花正啓市長は「既存の公共交通をサポートし、買い物や病院などに通う支援をすることを目的としている」とし、地域住民の利用を呼びかけた。

試験運行では川永地区も1台あたりの乗車人数が1・5人を上回ったが、商業施設の撤退と新規出店により状況が変わったため、改めて需要などを調べる。

その他の本格運行から外れた地区については、デマンド型乗合タクシーなど別の交通手段への切り替えを検討する。

 

地域バスの本格運行について説明する尾花市長